第51章 猫の裏

水原寧々は藤原修一をじっと見つめていた。同じ男として、藤原修一は男の考えることが分かるはずだ。

じゃあ、藤原修一もそう思っているのだろうか?

水原寧々にそんな風に見つめられて、藤原修一はこの子が何を考えているか分かっていた。

信号待ちの間、藤原修一は手を伸ばして水原寧々の頭を撫でながら言った。「変なことを考えないで。すべての男がそうとは限らないよ」

心を見透かされ、水原寧々は少し恥ずかしく感じたが、ここまで話した以上、自分の立場も表明した。「私は目に砂一粒も入れたくないの。もしいつか別れたいと思ったら、堂々と私に言ってほしい。応じるから。ただ、黙っていて私をバカみたい...

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